Social Change Agencyさんの研修に参加しました。
だいぶ久々の登場です。原田です。
ビールの飲みすぎにより悪玉コレステロール値が最高ランクの大台に乗ったおかげで、家から職場まで歩いて出勤・帰宅するようになりました。
そしてうちの山口くんも「コレステロール値を下げるためにはトマトとレモン酢?と納豆は夜に食べてもらうとよくて…あとキャベツもいいらしいよ…あ、あとはコーヒーも……」と…
なぜか僕を支えるあらゆる情報をこれでもかと提供してくれるので、知識量だけは誰よりも健康的な数値をはじきだせるようになったと思います。
あとはその知識を身体に反映できるようになればというところですが如何に…。
さて、すこぶる前ですが、NPO法人Social Change Agencyさんの「Social Change Agent養成プログラム」研修に参加してきました。
ザッとしたテーマとしましては、「社会福祉士の本質とは。求められるものとは。」といったところ。こちらの研修が始まった背景には「社会福祉士のソーシャルアクション機能の弱体化」があるそうで。
簡単に要約すると、「福祉現場で働いている社会福祉士は、利用者や施設の在り方を通じて社会の様々な不条理さを垣間見ることができる存在である。
だから個別支援だけに終始するだけでなく、もっと社会構造へ働きかける機能(ソーシャルアクション)を担わなければならない」、といったことです。(簡単に言えているか怪しいところだけど)
この話を受けて、僕も特養で勤めていく上で感じている「施設内や社会の不条理さ」と「社会構造に働きかけたいこと」について考えました。
そこで、僕はいつも新規の入所者が伝えてくる本音にモヤモヤと引っかかっていると気が付いたので少しお話をさせていただきます。
僕の施設はよく新規の入所者が来るのですが、話を聞いていると多くが絶望に近い気持ちを抱えているなと毎回のように感じさせられます。
例えば「家に帰りたい」「こんなところに来るつもりじゃなかった」「(こんなところに来るほど)落ちこぼれてしまった」「他人に面倒見てもらうぐらいなら死んでしまったほうがマシだ」などなど…。
新規入所者のマイナスの感情がこもった言葉を浴びることは職員にとっては非常に心苦しいことですが、しかし認めざるを得ない実情を突きつけられる大切な瞬間です。
自分のことが自分で出来なくなったことへの絶望感や他人に身体介助されることへの嫌悪感、そして多くの人が最期を迎える「終の棲家」が「こんなところ」であると感じているということを改めて突きつけられます。
(新規入所者ではなくても日頃から家に帰りたいと言っている人は結構多い)
確かに、よくよく考えてみると世間は「健康寿命を延ばす」「認知症にならないために」がテーマとなったテレビ番組や新書で溢れています。
病気をしない!誰のお世話にもならない!自分の力で生活をしてそして住み慣れた家で死んでいく!…
そんな生き方が「理想的で立派な歳の取り方」だと賞賛されすぎている気がしますし、讃えられなかったとしても「そうでありたい」という願望はきっと理屈抜きに誰もが持っていると思います。
それはすべてが悪いことだと思いませんが、ただ、そうなると僕が気になるのはそこから外れた人たちの存在であり、新規入所者の言葉を借りると「特養の利用者や介護を受けて生活する人は落ちこぼれなのか」ということ。
やはり福祉の現場で働く身としては、そのように捉えられるのは悲しいことです。
とは言ったものの、健康や自立に対する強い執着をなくすことはきっと困難ですし、利用者が自分の事を落ちこぼれだと感じてしまっても仕方がないとも思います。
僕だってできる限り自分の事は自分でできる状態で生き続けたいし、施設に入って誰かにお世話をしてもらうなんて(しかも自分よりも若い人に)、やはり嫌悪や悔しさとか情けなさを感じると思います。
ということは、僕に介護されることが嫌だとか情けないと思う利用者も今現在たくさんいるのでしょう。そこまで想像を働かせると、仕事とはいえ支援することに申し訳なさすらも感じてしまいます。
それでも、ただ恐れ多さばかり感じながら利用者と接するわけにもいきませんから、まずはそうした気持ちを頭の片隅に置いた上で「こんなところだけどいてもいい、こいつになら関わらせてやってもいい」と少しでも思われるような施設の仕組みや介護職員としての自分の在り方を考えて実践していかないとです。
今後のきいちでの活動でもそんなテーマを個人的に持ちながら参加出来たらいいなと思っています。
今回の研修はそんなことをぼんやりとだけど考えるいい機会になりました。
「社会構造に働きかけたいこと」については、職場での実践やきいちの勉強会などでごちゃごちゃと思いを巡らせた上で徐々に結論付けられたらと思います。
以上、地元の華屋与兵衛でぬるいコーヒーを飲みながらお送りしました。