No.007 北角 麻貴
【経験から見えてくる将来】
1.なぜ福祉の仕事を選びましたか?(現代福祉学部に入学した理由は?)
(現代福祉学部を選んだ理由)
一緒におじいちゃんおばあちゃんと住んでいたことや、小学生の頃から近所のおじいちゃんおばあちゃんとよく話していて、可愛がってもらっていた。おじいちゃんおばあちゃんが好きだったので、自然と福祉(介護)に興味を持っていました。
また、中学生の時の老人ホームでの職業体験も一つのキッカケです。食事介助やお話をする中で、「かわいいな。笑顔が素敵だな。」と思いました。この職業体験を通して、この仕事って良いなと思いました。この頃から、福祉の中の高齢者分野で仕事をしたいなと思っていました。
そんな考えを持ちながらも、高校3年生の進路で悩んでいるときに、おばあちゃんから「あなたは性格が優しいから、そういう仕事(介護)に向いているんじゃない?」と言われました。
そこからは介護が学べる大学を目指しました。なぜ、法政大学の現代福祉学部を選んだのかというと、MARCHだから(笑)
(福祉の仕事を選んだ理由は)
元々は障がい者に対して、あまり良いイメージを持っていなくて、だから高齢者分野に進みたかったというのがあった。
実習に行くまでは、身近に障がい者と呼ばれる方がいなかったことや接してきたことがほとんどなかったので、怖いというイメージをもっていました。
この障がい者が怖いということを、障がい者分野に進むことを考えていたサークルの先輩に話をしたときに、その先輩は「全然そんなことないよ。みんな素直でかわいい子ばっかりだよ。」という話をしてくれました。その言葉を聞いて、今までのイメージを変えてみようかなと思って、社会福祉士の実習では、障がい者施設に行きました。
実習が始まってみると、軽度の方が多くコミュニケーションが比較的取れたということもあり、怖いというイメージはなくなりました。彼ら・彼女らの素直さや関わることに面白さを感じました。実習はとても楽しかったです!
実習後は、この仕事に就きたいと強く思うようになり、障がい者分野にのめり込み、就活も障がい者分野のみに絞りました。
社会福祉士の実習が大きなキッカケとなり、もともと目指していた高齢者分野ではなく、障がい者施設で勤務することになりました(笑)
ちなみに、今の職場に決めた理由は、勤務体系が複雑な入所施設が嫌だったから(笑)と法人の理念に惹かれたからです。また理念だけでなく、その法人での実習や見学を通して、風通しの良い職場環境・人間関係が自分に合っていると感じました。
また、新しいことをやっていくのが苦手で、今のあることを確実にやっていく方が得意である自分に合っていたからです。
【支援か売上か】
2.あなたの仕事について教えてください
就労継続支援B型の施設で勤務しています。施設ではパン作りとカフェを経営しています。カフェでは、利用者が作ったパンやランチ(パスタなど)を提供しています。
具体的には、カフェ経営に関わるスケジュール管理(開店準備等)や現場に入ってランチ提供時の接客・調理などの技術的な事や社会人マナーを身につけてもらう為の支援をしていくことが業務になります。
利用者が次々に仕事を行えて、能動的になれるような仕組み作りや利用者一人一人がスポットライトを浴びられるような仕組み、達成感を得られるような仕組み作りに携わっています。利用者が出来ることを増やしていくことも支援の一つです。
「でも・・・利用者一人一人を見て、支援をしていかないといけないけれど、お店として、お客さんを待たせてはいけないこと、利用者の工賃に反映されるから売上を上げていかないといけないということに精一杯になってしまい、職員都合で進めてしまうことも正直ある。利用者に考えてもらう時間もしっかりつくっていきたいが、職員が指示を出してしまう時もある。支援者なのか、お店の経営者なのか、わからなくなるときがある。すごく難しいなって感じる。」
本音がポロリ。
【真っ直ぐに人と関わる】
3.大学での学びが仕事で活きていると思った瞬間
やっぱり実習が一番です。仕事に活きているというか、実習で障がい者施設に行っていなければ、今の仕事に就いていなかった。実習そのものが仕事に活きているのかもしれません。
サークルでは、人を判断する子どもの素直さや何度関わろうとしても認められないつらさを経験した。そこで、人(子ども)と関わる難しさを知り、継続して関わろうとする大切さを知った。
人と接することは簡単じゃない。他人との信頼関係の構築の難しさを学ぶことが出来ました。この経験は今の仕事でも、利用者と信頼関係を築くための基礎になっていると思います。
あとは、サークルでイベント企画の経験をしたことかな。周りの人を巻き込んで、何かを行う為に必要な準備や他者への連絡の大切さを学べた。仕事をしていて準備は怠らないようになりました。
ここで、大学=実習と言っても過言ではない彼女の実習でのエピソードを少し。
「実習の最終日にね、利用者からカセットテープとお手紙をもらったの。そのカセットテープには、利用者の皆さんの普段の様子(作業や会話)の音が入っていて、お手紙には、ありがとうと書いてあった。そのカセットテープとお手紙をくれたのは、実習中にはそこまで関わりがなかった利用者だったんだけど、その利用者は実習に行く度に私に話しかけてくれていて、とてもうれしかった。」
「実習に行く」「支援とは何か学びに行く」という意識がある中で、「利用者に、プレゼントをもらったこと、話しかけてもらいうれしかった。」ことを実習のエピソードにあげられる彼女の真っ直ぐな心を垣間見たような気がしました。
ちなみに、実習担当になったら、どう実習生と過ごす?という質問に対して、
「とにかく疑問を持って欲しい。そして疑問に思ったらすぐに聞いて欲しい。」と伝えてから、自分の経験談を伝えていくかな。とにかくいろんな事を発見して欲しいと思うので、そういうスタンスで私は実習生と過ごしたい。と答えてくれました。
【より深いところまで】
4.いま興味を持っていることやテーマ
正直、今ある業務のことで精一杯。
ただ、入職してからずっと同じ職場なので、軽度の障がいを持った方しか知らない。障がい者と関わる仕事をしていく中で、もっと重度の人や生活介護、入所という視点からも関わってみたいと思う。
また、今の仕事では、利用者の通所先での利用者しか知らないから、その人の生活(家での様子)をもっと知りたいと思う。通所先だけでの通所の為だけの支援では意味がないのではないかと思うし。
結果、興味あることに対して行動を起こせてはいないけれど、
今は、目の前の仕事をやっていくしかないけど、障がい分野をより知りたいと思います。
【同じ働く人としての立場でいたい】
5.今後の目標は?
2つ目の問いに対してでも出た事だけれど、カフェの経営に追われ、職員都合で利用者に指示を出し、職員都合で進めてしまうことがある。
だから、利用者をないがしろにせず、職員都合にせず、利用者のことをしっかり考えていきたい。
利用者と向き合う時に大事にしていることは?という問いに対しては、
「同じ働く人としての立場でいたい」と答えてくれました。
プライベートでは、充実しています!(笑)
大学の時は人付き合いが悪かった私だったけど、「このままだとやばい」という焦燥感から、よく出かけている!(笑)
人と出会いを通じて、いろいろな経験をして、自分が成長していると感じられる。
よっぽどの事がない限りお誘いは断らないとの事なので、皆さん是非一度ご連絡してみては?
謙虚で、かっこつけず、等身大で考えられる彼女らしさあふれ出るインタビューとなった。