DESIGN FOR WELL-BEING

き い ち

No.019  渡邊 祥平

【幼い頃の思い出/地元で働きたい】

1.どうして福祉の仕事を選びましたか。(法政現福に入学したきっかけは何ですか)

(現代福祉学部を選んだ理由)

 小学4年生の頃、よく近所のデイサービスに行っていました。デイサービスのお手伝いをしていた母親に連れられて行ったことがきっかけです。おじいちゃん、おばあちゃんの話し相手になり一緒に将棋もしていました。

その時に、子どもということもあり、可愛がってもらえたし、楽しかったし、とても良い思いをしました。(笑)

そんな出来事が、進路に迷っていた高校3年生の時に、良い思い出として残っていました。もちろん、特別やりたいことがなかったことや母親からの勧めもありましたが、デイサービスでの思い出が、福祉の学部を選んだ大きな決め手です。

 そして、法政大学の現代福祉学部を知り、オープンキャンパスに参加しました。オープンキャンパスでは、福祉、地域、心理の3つから選択して学ぶ、あるいは複合的に学べる(当時は、現代福祉学科であり、学科が分かれていなかった)ということや、海外研修があるということを知り、単純に「楽しそうだな」と思いました。

何を勉強するかは入ってから考えようと思っていましたし、将来的にも地元にいたいという想いや、まちづくりに興味もあったので、とにかく幅広く学べると思いこの学部を選びました。

 あとは、オープンキャンパスで現代福祉学部の柔らかい優しい雰囲気を感じられたので 「ここだったら自分に合うかな」と思ったことも、決め手のひとつでしたね。

渡邊さんの思う法政大学現代福祉学部の良さとは—

 入ったときは中途半端な感じだけど、学生の質は高いので、中途半端にならず学生同士の色んな良いところを吸収して将来に繋げることが出来るのは、この学部の良い所だと感じます。というよりも、やりたいことを見つけることが出来る環境やそれを支援する学内の制度が良かったなと思います。

 また、普段の学生生活の中で言えば、自由に活動出来るサークル、当たり前のようにあるボランティアサークルは、先輩達が直接施設等に交渉して一からつくりあげたもの。そんな風に自分たちの活動の幅を広げていた人達がいるということ、目的を持って活動しているそんな人達が身近にいたことはとても刺激的でした。

 さらに、学内での学びで言えば、私たちの学年は学科が分かれていなかったので、地域を学びたくて入学したけれど、心理の授業を受けて心理が学べるゼミに入った人もいました。この柔軟さも現代福祉学部の良さだったと思います。

 もちろん今は、学科が分かれているので、ここまでの柔軟さは難しいかもしれませんが、例えば福コミュでも心理の勉強をかじった方が人としての幅が広がりますし、色々と出来る時期だからこそたくさん経験し、視野を広げていかないと、将来仕事に就いたときに、様々な情報で複合的に出来ている社会に出たときに、色々と情報を仕入れた状態にしておかないと、現場で仕事をするときに苦労するんじゃないかなと思います。

ひとつのことを真面目に取り組むことも当然大切だけど、あまり過度になると「つまらないな」と感じます。

 福祉って幅が広いです。だからこそ、学生さんには色んなことに興味を持つスタンスで、周りを見て、ひとりひとりに興味を持って欲しいと思います。そして、それが可能な環境が現代福祉学部ですし、そのことを感じながら、ウェルビーイングの理解に努めて欲しいなと思っています。

(仕事を選んだ理由)

 現在は公務員として市役所で働いています。もともと公務員として働きたいと考えていました。理由としては、民間で朝早くから夜遅くまで働く親の姿を見ていて、私には無理だなと感じたこともありましたが、地元で働きたかったこと、地元の良さを実感したかったこと、地元の良さを伝えたいこと、地元に貢献出来ること、地元の行く末を見守りたいこと、というのが大きく影響しています。

 そして、ひとつのことを専門的にやるのも大切だし必要だけれど、幅広く色々なことが経験出来る仕事は何かという視点で見たときに、市役所で働くという選択になりました。あとは、地域おこし協力隊が流行始めた背景もあって(それまで知らなかったということもありましたが・・・)、地元に根付いた仕事や地域福祉というのがホットな話題だったということもあるかもしれません。

【準備がポイント】

2.あなたの仕事について教えてください。

 どこに配属されるか分からない中で、最初の3年間は障がい者施設で働いていました。実習やボランティアで間接的に関わっていたことはありましたが、直接介護(支援)は初めてだったことや私の描いていた公務員の福祉職とは全く違っていたこともあり、とてもびっくりしたことは今でも覚えています(笑)

様々な障がいを持つ方が通所する施設で、知らないこと(病名等)ばかりで、毎日が勉強でした。この施設は、高齢かつ障がいを持つ方や、地域で孤立しやすい方々と、社会とのつながりをつくり、生活を整える支援をすることに力を入れていました。

福祉の学部で学んではいましたが、現場には知らないことが溢れていました。だから、色んな失敗をして、たくさん怒られましたね。(笑)

でもベテランの利用者の方や職員の方に助けてもらって、人間的に成長出来る職場環境でした。本当に楽しかったです。

 そして、この3年間で、本当の意味で世の中には色んな人がいるんだという意識を持てましたし、会話(言葉)だけではなく、ジェスチャー(身振り)を使って、相手の懐に入るスキル(コミュニケーション力)を身につけられたと感じています。

 現在は、議会事務局というところに勤務しています。すごく簡単に言うと、議員の方のサポートです。具体的には、議員の方の調査研究の資料作成や調査依頼があればその依頼に対応する部署と他機関への連絡調整など、つなぎ役です。

必要なものを準備して常に出せるように環境を整えていく仕事というイメージですね。あとは、議事運営(会議)の裏方業務や会議のインターネット中継等の編集などもあります。

さらに、他自治体議会(都道府県や市区町村議会)からの視察依頼を受けて受け入れの調整をしていく仕事もあります。このような視察では、市のこと(予算、施策、人口、建物、お店など)を色々聞かれます。それに一つ一つ答えられるように準備することは重要になっていきます。

 そして“準備”という意識は、前の職場(障がい者施設)での経験(常に準備しておくことで利用者の対応が出来るという姿勢)がとても活かされていると感じます。

 ちなみに依頼や調査内容は本当に多岐に渡ります。何でも知っている状態にするのは結構大変です。コミュニケーション力や情報収集力、自分の仕事以外にアンテナを張っている状態を保つ力などがポイントですね。

 福祉の現場でも視野を広く持つ重要性はとても感じましたし、学べました。3年間の経験が今の仕事にとても活きていますね。

【行動することの大切さ】 3.大学での学びが仕事で生きていると感じるのはどんなときですか。

 正直、大学の学びでこれ!というのはないのですが、学部主催のイベントでの経験(海外研修と遠野プログラム)や福祉事務所での実習が大きいですかね。

 実習では、他職種連携ってどうやっているのか、人と人あるいは人と機関をどうやってつなげているのかなどをテーマにして重点的に学びました。

海外研修では、見聞を広げたいという目的と悪いところを見つけようと思っていました。というのも、良いところは説明するし見れば分かるので、何がいけないのか、何が課題なのかを見つけられるように意識していました。その上で、良いところを見て日本に合ったものをどれだけ持ってこられるのかなということを知りたかったんです。結局いいところしか見つかりませんでしたが(笑)

 学部主催のイベントでは、遠野プログラムに参加しました。震災直後の現地を見て、自分に何が出来るか考えたかったのが理由のひとつですね。

そして、このプログラムは、1~4年までの学年が入り交ざって参加するイベントとしては初めてのものでした。どうすれば、全体がスムーズに動けるのか、ひとりひとりの意見を取り入れ、活かす雰囲気づくり(仕組みづくり)に、力を入れていましたし、一緒にいた同学年の友達と協力しました。

ここで、“組織運営”の経験みたいなものが出来たと思います。

 どれとは言い難いですが、結果的に大学にいた4年間が今の仕事に活きていると感じます。一番は考え方が広がったことですね。

一つの仕事や一定のコミュニティだけだとどうしても考え方が狭くなってしまいます。当然、狭い中での専門性は高まるとは思いますが・・・。

 考え方が狭くなるのをこじ開けるには、色々なところに行って様々なものを見ることが大事だと思います。学べなくても良いから、「とにかく経験する」ことが大事だと。それを学べたことは大きいです。

【理想を追い求めて】

4.いま興味を持っていることやテーマは何ですか。

 将来的には、「様々な視点を活かした」まちづくりをしたいと思っています。自分が仕事をしているまち、あるいは地元のことを外に伝えていくことをしないとまちは継続しないと考えています。

渡邊さんの考える住みたいまちとは-

 気持ちが温かくなる場所や誰かにとって故郷と呼べるまちとなっているかがポイントだと感じています。地元の良い所をたくさん言えることが出来る“誇れるまち”です。

その為には、みんなで楽しめるコミュニティ(地域のお祭り、多世代が集まれるイベント等)があると、「このまちって良いまちだよね」って言われるのがベストかな。

あとは、中高生時代にまちの良さを感じられるようになると、大学生や社会人になってもまちに残りたい・戻りたいまちになるのかな・・・

【唯一無二の存在】

5.今後の目標を教えてください。

 ひとりひとりの印象に残る職員になりたいですね。

仕事っぷり、人柄、とにかく印象付けが出来るような姿勢でやっていきたい。良くも悪くも印象に残ればこっちのもん!という意識ですね(笑)

 あとは、顔の見える関係をつくれるように仕事をしたいです。その為に日頃から、電話一本で済んでしまうけど、あえて足を運んで話をするように心がけています。